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「イナフ」                

見つめているのは、とっくに終わったテレビ
両手の中には、冷たい空っぽのカップ
今何時だろうなんて、もう何時でもいいよ
も・いいよ、も・いいよ、も・いいよ、もういいよ

理由もなく気持ちが、塞いでしまう日がある
理由は知ってる、本当はよく知っているのに
内側には目を向けないで、頬杖で空を眺めたりしてても
も・いいよ、も・いいよ、も・いいよ、もういいよ

困ったような泣いてるような、ちょっと笑っているような変な顔をして
馬鹿みたいに見えるだろう、抜け殻のふりをしてるんだ
やってくる不安に心が居留守を使っているのさ
でも、
も・いいよ、も・いいよ、も・いいよ、もういいよ

自分が思いつくことしか、自分には思いつけない
何度も同じ過ちを繰り返す、よーく考えてもでもやっぱりしくじってしまう
自分の形のどろんこに、はまったまま動けないでいる
でも、
も・いいよ、も・いいよ、も・いいよ、もういいよ
も・いいよ、も・いいよ、も・いいよ、もういいよ

すべて散らかしたままで、すべてほったらかしのままで
もういいわけないのに、もういいよ、もういいんだよって声が聞こえる
気持ち悪いくらい甘い声で自分で自分にそっと呟いてる
も・いいよ、も・いいよ、も・いいよ、もういいよ!・・・・

見つめているのは、とっくに終わったテレビ
両手の中には、冷たい空っぽのカップ


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